RTK-GNSS(Real Time Kinematic Global Navigation Satellite System) を利用したGPR (Ground Penetrating Radar) の適用試験を目的に、弥生時代の大規模な環濠集落跡として知られる吉野ヶ里遺跡周辺で調査を実施した。調査の結果、吉野ヶ里歴史公園に隣接する道路において、深度1.5m付近を上面とするやや深い路面下空洞アノマリを6箇所検出した。調査区間には、下水道等の埋設管が敷設されておらず、アノマリの原因としては弥生時代の遺物の可能性が考えられる。吉野ヶ里遺跡の発掘調査はほぼ終了し、遺構は盛土により覆土して保存され、大部分が公園として整備されつつある。1958年から現在までの航空写真を閲覧したところ、調査地周辺の耕作状況や家屋等の分布の様子は変わってきているが、対象路線については大きな改変を受けていないことが推測された。古くから道路として利用されてきたことにより、浅部地下空間が手つかずに保存されてきた可能性がある。本研究では、GPRデータの解析により埋設物を特定するための検討作業として、物理モデル実験を行った。 |