国立研究開発法人土木研究所

論文・刊行物検索

利用者の方へ

詳細情報

論文投稿 振動特性の変化に着目した既設重力式コンクリートダムの健全性評価

作成年度 2014 年度
論文名 振動特性の変化に着目した既設重力式コンクリートダムの健全性評価
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 大ダム
巻・号・回 Vol.57 No.227
発表年月日 2014/04/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
水工研究グループ水工構造物チーム金銅将史
国土交通省国土技術政策総合研究所河川研究部大規模河川構造物研究室佐々木隆
水工研究グループ水工構造物チーム小堀俊秀
水工研究グループ水工構造物チーム加嶋武志
抄録
既設ダムの安全性を評価するには,長期供用に伴う経年的な劣化や大規模地震等の偶発外力によって生じうる損傷などの影響を適切に考慮する必要がある.しかしながら,実際のダムでこのような劣化や損傷の発生箇所や範囲を特定するのは容易ではないと思われる.そこで,本論文では,既設ダム堤体の振動特性の変化に着目し,その構造的健全性を評価するための一次診断手法について考察した.初めに,多くのダムではダム堤体の振動特性に関する長期計測データが得られないことも考慮し,重力式コンクリートダム堤体内部の劣化や損傷がダムの固有振動数に及ぼす影響について数値解析により分析した.堤体内の水平ひび割れを想定した解析の結果,ひび割れの位置,深さ及び連続性によりその影響は異なることが分かった.次に,この解析結果と実際のダムで実施した常時微動計測から得られた固有振動数の特性も踏まえ,当該診断手法の適用性について考察した.その結果,ダム堤体の固有振動数は貯水位により変化するともに温度の影響も受けている可能性が高く,これらの要因による影響を適切に分離する必要があることを指摘した.最後に,このような既設ダムの健全性評価をダムのリスク評価に結び付けるための今後の展望についても論じた.
ページの先頭へ

この画面を閉じる

Copyright (C) 2022 Independent Administrative Institution Public Works Research Institute