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論文投稿 博物館等の展示スペースにおける自然音活用の現状と分類

作成年度 2014 年度
論文名 博物館等の展示スペースにおける自然音活用の現状と分類
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 学会誌『展示学』52号
巻・号・回 52号
発表年月日 2015/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
東京学芸大学飯田花名子
東京学芸大学吉富友恭
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター渡辺友美
抄録
博物館や水族館、動物園、ビジターセンター等の現場では、展示を通じた自然体験を充実したものにするため、利用者の感覚に訴える手法を取り入れる等、展示の手法が多様化している。利用者の複数の感覚に働きかけて心の動きを誘発し、展示と利用者との間に双方向的なコミュニケーションを成立させる「ハンズ・オンJ*1は多くの館で取り入れられ、その考え方も普及しつつある。感覚に訴える手法の一つに音を使った手法がある。音は様々な意味を呼び起こし、私たちの心に働きかける*2。佐藤らによれば音を媒体とした感性情報の伝達は可能であり判、送り手の感情は受け手に約80%伝達できるともいわれる。中でも、自然の中の事象の音(自然音)には、多くの情報が含まれるとともに、人を惹きつける要素も含まれていると考えられる。博物館における展示研究については、そのほとんどが視覚的に見た展示方法を対象に述べられているとの指摘がある*4。展示において映像と音声は臨場感を高める上での重要な要素であり*5、また、スピーカなどによる音声情報は学習者に対して有意な役割を担うことができる*6 教育的手法演出的手法その他図①自然音展示の手法による分類図①自然音展示の手法による分類と代表的な例巡回企画展「ゲりラ豪雨に備えてJ[埼玉県、2012/04訪問]センサーが設置されており、人が通ると雷をイメージした光と共に雷の盲が鴫る。しかし、これまでに音に焦点を当てて博物館の展示を調査した事例には、ポピュラー音楽を対象にした研究抑や、博物館の展示支援向け局所音声再生システムの研究*8、博物館におけるサウンドスケープ・デザインの事例紹介判などがあるが、自然音を用いた展示の全体像をとらえた調査は見当たらない。展示への自然音の取り入れ方、また、その効果を検証するためにも、自然音を用いた展示の現況の把握が求められる。本研究では、展示に効果的に自然音を導入するための基礎研究として、現在の博物館においてどのように自然音が活用されているのかを調査し、扱われているコンテンツ別、手段別の分類を行い、現在の博物館展示における自然音展示の傾向と課題を考察することを目的とした。
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