国立研究開発法人土木研究所

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論文投稿 河川の樹林化

作成年度 2014 年度
論文名 河川の樹林化
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 環境水理学 第6章
巻・号・回 第6章
発表年月日 2015/03/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
独立行政法人 土木研究所 水環境研究グループ 自然共生研究センター大石哲也
抄録
 日本の河川の多くは、都道府県の管理する中小河川であり、その延長は、国が管理するような大規模な河川に比べ非常に長く、一級水系だけでも約77,000㎞に及ぶ。また、中小河川では、財政面の制約などが厳しく、河道の計画や設計の際に必要となる河道縦横断測量や水位・流量の観測、さらに、改修後のモニタリングや維持管理についても十分行えていない河川も多い。 そのような状況の中、平成22年8月、国土交通省より「中小河川に関する河道計画の技術基準」が通知され、河道計画を行う際に維持管理についても考慮するよう求められている。 著者らは、中小河川の効率的・適格な維持管理手法の提案を大きな目標としており、まず、岐阜県内の中小河川を対象に、維持管理に関するアンケート調査を行い、対象河川の現地調査を行った。現地調査を基に河道タイプを分類し、維持管理との関連について考察した。その結果、住民の利用を含めて計画することで維持管理が容易になる可能性があることが分かった。 効率的な維持管理計画の策定には、改修後の河道がどのように変化するのか予測しなければならない。 また、洪水や土砂災害による被災危険性についても検討する必要があり、河床低下が起因となり護岸被災へと繋がることが指摘されている。河道の変動は、土砂の移動によって決まるため、形成される河道の予測には、流出土砂量を評価する必要がある。 流出土砂量を評価するアプローチの1つとして、ダム貯水池における堆砂量の経年変化に着目した研究がある。しかしながら、対象は大規模な流域を持つダムがほとんどであり、土砂流出の影響要因を特定できているとは言いがたい。 また、土砂流出は、流域の規模、地形・地質、地被条件、水文・気象条件、河道の水理特特性、さらには人為的諸作用が支配要因とされており、これらの要因が複雑に関係しているため、流出土砂量の評価は非常に難しいのが現状である。 そこで、本研究では、流出土砂量を規定している流域の様々な特性値から、形成される河道タイプが予測できるかどうかについて調べた。対象とした河川は、岐阜県内の中小河川である。まず、対象河川流域ごとに特性値を整理する。次いて、それら特性値を用いて対象河川のグループ化を行い、得られたグループごとの特徴を把握する。最後に、現地調査結果による実際の河道断念を参考に、グループごとに形成される河道タイプについて考察する。
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