合流式下水道の雨天時越流水(CSO)が流入する河川のポンプ場上流700 m地点(St.1)およびポンプ場下流100 m地点(St.2)の河川水について、雨天時における栄養塩負荷の比較を行った。2地点の負荷量を比較したところ、一回目の調査(調査日①)では越流期間中にSt.1よりSt.2の負荷量が上回った。一方で、二回目の調査(調査日②)では越流期間中にSt.1よりSt.2の負荷量が上回る結果となった。河川の流量に対する越流水の寄与率(越流期間中の最大値)は、調査日①では12.7%、調査日②では1.2%と推測された。越流水の寄与率は調査日①より調査日②の方が低いにもかかわらず、調査日②ではSt.1からSt.2にかけて栄養塩負荷が大きくなっているため、調査日②では一定のCSOによる影響が考えられた。また、霞ヶ浦において、台風による出水前後の底質を採取し、嫌気・好気条件下で20日間の溶出試験を行った。現地調査の結果から、台風通過後のSt.3(土浦港沖)では、他の地点に比べ、pHおよびDOは低い傾向を示した。台風に伴い流入してきた有機成分は、採泥時には既に分解し、溶出し易い成分は既に湖水へ溶出していた可能性が考えられる。溶出試験の結果、NH4-Nの溶出速度は、嫌気条件下で台風通過後に著しく増加しており、St.3(土浦港沖)が最も大きかった。また、PO4-Pの溶出速度は、台風通過後では、むしろ低下していた。 |