浅層地盤改良については、”セメントをスラリー状にして、高含水比の軟弱土と均一に撹拌する工法が昭和40 年頃から各地で試験的に実施”と記述されている。昭和50 年頃より浅層安定処理について多くの研究成果が発表され、曲げ耐力を用いた浅層改良盤の設計法の提案もみられる。昭和60 年には「セメント系固化材による地盤改良マニュアル」一版が発行され、現在(第四版)においても設計・施工を行う上での技術マニュアルとして広く用いられている。最近では軟弱地盤対策の工費及び工期の縮減策として、浅層地盤改良及び中層地盤改良にトレンチャー方式による地盤改良が普及している。さらには、深層混合処理工法と浅層改良工法やジオテキスタイルを組み合わせて用いる工法も提案されているが、浅層改良盤を併用する場合にはその曲げ耐力の評価が必要と考えられる。しかし、特殊な場合を除いては、浅層改良盤の曲げ照査については押し抜きせん断の照査を行えば、過去の経験から曲げ照査を省略する場合が多い。そこで、浅層改良盤を設計する場合の設計法の調査を行い、設計時に照査する項目の整理と、照査項目及び照査方法を決めた根拠についての調査と整理を行った。本報告では、浅層改良盤の曲げ耐力を照査する方法の調査結果を整理し、今後の曲げ耐力照査について考察した結果を報告する。 |