国立研究開発法人土木研究所

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発表 内視鏡カメラを用いたグラウンドアンカーの背面調査について

作成年度 2016 年度
論文名 内視鏡カメラを用いたグラウンドアンカーの背面調査について
論文名(和訳)
論文副題
発表会 第51回地盤工学研究発表会
誌名 第51回地盤工学研究発表会講演概要集
巻・号・回  51
発表年月日 2016/09/13 ~ 2016/09/15
所属研究室/機関名 著者名(英名)
地質・地盤研究グループ施工技術チーム横山 一輝
地質・地盤研究グループ施工技術チーム近藤 益央
地質・地盤研究グループ施工技術チーム藤田 智弘
地質・地盤研究グループ施工技術チーム宮武 裕昭
三重大学酒井 俊典
抄録
道路構造物の計画的な維持管理は、点検→診断→措置→記録→(次の点検)の維持管理の業務サイクルの構築が不可欠である1)が、道路土工構造物については、支障時の影響や復旧のしやすさ等の特性を踏まえ、点検、モニタリング、通行規制等を活用して当面の安全を確保すべきである。その理由は、①一般的に道路土工構造物は、経年的に緩やかな外形変化を伴いながら安定化すると考えられ、外形変化を単純に機能低下と診断することは適切でないこと、②大規模崩壊の場合においても、緩やかに変状が進行し、最終的に崩壊に至る場合が多く、これら変状の初期段階の変状を検出して措置を講じることができれば大規模崩壊を防ぐことができること、さらに③これらの変状メカニズムが未解明であることがあげられる。そこで、道路土工構造物の維持管理にあたっては、定期的な点検の繰り返しにより初期段階の変状を早期に検知し、その変状及び変状の要因が機能低下につながる前に、適切に診断・措置するような事後対応的な維持管理を実施すべきであり、さらにその数量が多いことから効果的・効率的な点検・診断方法の確立が必要であると考えられる。グラウンドアンカー(以下、アンカーに略)は、背面地山の変形や地質構造の影響を強く受けるため、変状の要因が複雑であり、変状=機能低下であるとは単純に結びつかないことから、他の道路土工構造物同様、事後対応的な維持管理が合理的である。一般的にアンカーの維持管理は、目視を主体とする日常点検や定期点検等の結果から、変状が検出された場合に必要に応じて、健全性診断を目的に健全性調査を実施し、措置を検討する2)。健全性調査は、頭部詳細調査やリフトオフ試験、頭部背面調査等を現場状況に応じて実施することで、健全性を診断するが、アンカーの変状事例として多く報告される鋼線破断は、頭部背面で破断している場合がしばしば見られる。したがって頭部背面調査はアンカーの健全性診断のための重要な調査であると考えられる。しかし頭部背面調査を実施するためには、緊張力徐荷のため十分な頭部余長が必要であることや、徐荷及び再緊張を行う時間と手間やコストが掛かる等のデメリットがある。アンカーの効率的・簡易的な診断方法の確立を目的として、アンカーのり面の実現場において、健全性調査を実施した。今回調査の際、頭部背面に内視鏡カメラを挿入し内部状況の把握を試みた。本報告では内視鏡カメラを用いた頭部背面調査について得た知見を提示し考察する。
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