近年、軟弱地盤を対象とした地盤改良工法として深層混合処理工法が盛んに用いられるようになり、コスト縮減を目的として浮型や低改良率型の経済的な地盤改良工法が提案されている。しかし、家屋等の周辺構造物が近接している場所で軟弱地盤上に道路盛土を構築する事例も増えており、有明沿岸道路をはじめとする多くの現場では、盛土沈下に伴う側方流動や引き込み沈下を抑制するために、官民境界部において様々な制限値を設定しており、周辺地盤への変形抑制効果が期待出来る工法が求められる。このような場合、盛土直下全面を改良する工法や、盛土法尻部を集中的に高改良率で改良する工法等が採用されることが多い。これらの工法は、変形抑制効果が高いがコスト高になったり、コストはある程度低減できるが法尻部の側方変形が十分に抑えられなかったりなどの課題があった。そこで外部杭、側部壁、内部杭といった改良体を低改良率かつ機能的に配置し、経済性と周辺地盤への影響の抑制を両立した杭状・壁状配置併用型地盤改良工法を民間13 社と共同開発した。本報告では、遠心力載荷模型実験による本工法の効果を紹介するとともに、国道57 号熊本宇土道路で実施した本工法の試験盛土区間における盛土沈下及び周辺地盤における沈下及び水平変位等に関する動態観測結果について報告するものである。 |