昨今の首都圏を中心とした大規模建設事業において,建設発生土量(以下発生土と省略)の増加が見込まれている。また,リサイクルの推進により発生土のさらなる有効利用が求められている。土工で従来用いられてきた締固めしやすい良質で均質な地盤材料とは異なり,発生土の土質は多種多様である。特に泥土または第4種発生土に区分される低品質な発生土を道路盛土に用いる場合には,固化材を混合するなどして品質改良を行う必要がある。このような改良土の現場での品質管理は,固化材混合を必要としない良質な盛土材と同様に締固め度のみで行われおり,固化材混合による強度増進の影響を必ずしも適切に評価できていない可能性がある。維持管理に対する社会的要請の高まりも考慮すると,集中豪雨等の外的要因の作用を受ける改良土の長期的な強度特性を把握すること,改良土の長期耐久性を確保するために設計・施工の段階で必要な要求品質・品質管理項目を明らかにする事が望ましい。本研究では,発生土の適用範囲が広い道路土工を対象とし,発生土にセメントや石灰などの固化材を混合して品質改良した改良土の長期的な安定性や耐久性の検討と,適切な品質管理手法を提案するための検討を行っている。本論文では研究に取り組むにあたって道路改良等工事を対象に実施した,発生土の利用状況に関する現場実態調査の結果を示す。 |