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発表 ニホンアカガエルの繁殖場所としての河道内氾濫原 Inter-levee floodplain water bodies serve to spawn sites of Japanese Brown Frog Rana japonica.

作成年度 2019 年度
論文名 ニホンアカガエルの繁殖場所としての河道内氾濫原 Inter-levee floodplain water bodies serve to spawn sites of Japanese Brown Frog Rana japonica.
論文名(和訳)
論文副題
発表会 日本爬虫両棲類学会 第58回大会
誌名 日本爬虫両棲類学会 第58回大会
巻・号・回 11 
発表年月日 2019/11/23 ~ 2019/11/24
所属研究室/機関名 著者名(英名)
河川生態チーム田和康太〇
岐阜大学流域圏科学研究センター永山滋也
河川生態チーム中村圭吾
抄録
河道内氾濫原は,近代以降の後背湿地の開発に伴う,縦断かつ連続的な堤防整備により,堤防間に限定された氾濫原のことであり,そこに形成された湿地(以下,河道内湿地)は魚類や二枚貝類などの水生動物の重要な生息場所となる.本研究では,厳冬期から早春期にかけて繁殖するニホンアカガエルに着目し,河道内湿地における繁殖状況を調査した.また,それらの結果を周辺の水田と比較検討した.本研究では,河道内湿地を多数有する木曽川三川を調査地とした.2017~2019年にかけ,ニホンアカガエルの上陸期(5~6月)と繁殖期(3月)の計二期に揖斐川,木曽川および長良川の河道内湿地計27か所と,堤防を隔て,各河道内湿地の直近にある計27枚の水田で調査した.各調査水域につき,定量掬い取りとラインセンサスを実施し,繁殖期のみ,卵塊数を計数した. 2017年のデータについては,田和ほか(2019)の一部を用いた.調査の結果,ニホンアカガエルは成体,幼体,幼生,卵塊を含めて河道内湿地のみで記録され,水田では記録されなかった.調査水田では,乾田化が進んでおり,3月には田面に水域がほぼ存在しなかったため,ニホンアカガエルの繁殖は困難だと推察された.また,河川ごとにみると,木曽川の河道内湿地のみにニホンアカガエルは出現した.木曽川では,揖斐川や長良川に比べて河川敷幅が広く,河道内湿地の岸際の水深が浅かった.また,周辺にある程度の落葉広葉樹林が存在するなど,ニホンアカガエルの生活史において好適な条件が揃っているものと考えられた.
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