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発表 稠密地震計アレイでのハイブリッド表面波探査中に観測された自然地震

作成年度 2020 年度
論文名 稠密地震計アレイでのハイブリッド表面波探査中に観測された自然地震
論文名(和訳)
論文副題
発表会 JpGU - AGU Joint Meeting 2020
誌名 JpGU - AGU Joint Meeting 2020
巻・号・回  
発表年月日 2020/07/12 ~ 2020/07/16
所属研究室/機関名 著者名(英名)
土木研究所稲崎 富士
土木研究所小河原 敬徳
土木研究所小林 貴幸
抄録
直線的な測線上に多数の地震計を展開して稠密リニアアレイを構築し,測線上で起振しActive探査を実施するとともにPassive観測も行なうというハイブリッド方式の地震探査を提案し,表層地盤構造調査に活用してきている(稲崎・木佐貫,2015など).取得した波形記録のうち,表面波および微動の伝播特性から浅部のS波速度構造を推定する「ハイブリッド表面波探査」が主たる探査手段であるが,Active探査データに対して通常のP波反射法探査やSV波反射法探査を適用することも可能である(Inazaki,2013).2019年2月21-22日にかけて,つくば市上郷地先の小貝川河川敷にほぼ南北方向に測線を設定し,2m間隔で240点に上下動型地震計を展開しハイブリッド地震探査を実施した.取得データはActive探査で250データ,Passive探査で約100データに達した.Active探査の測定条件は0.5msサンプリング/2.4秒記録,Passive探査では2msサンプリング/50秒記録とした.このうちActive探査時に自然地震のP波初動部を偶然とらえることができた,気象庁一元化震源リストによると,この地震の発生時刻は2019年2月21日15h13m45.2s,マグニチュード2.0,深さ45kmと見積もられている.震源地は茨城県南部で測線とほぼ直交する方向に位置し,震央距離は約20kmであったことから地震波は地震計アレイに対しほぼ鉛直下方から入射したとの解釈が可能であるが,観測地震波には30msを越える相対走時差が認められた.この走時差は主として表層の不均質構造に起因すると考えられる.そこで自然地震の走時差を表層スタティクス量とみなし,ハイブリッド地震探査解析結果と比較した.比較対象はActive探査に対するP波屈折法解析から求められる表層P波速度構造およびタイムターム,ハイブリッド表面波解析で得られたS波速度層構造である.これらは調和的で,測線北側で表層低速度層が厚くなり,また速度も小さくなる傾向が共通して認められた.またP波反射法解析に残差静補正を適用したところ,反射断面の品質を大幅に改善することができた.
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