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論文投稿 公共事業における地質・地盤に関するリスク要因の特徴

作成年度 2021 年度
論文名 公共事業における地質・地盤に関するリスク要因の特徴
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 日本応用地質学会
巻・号・回 62 3
発表年月日 2021/08/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
土木研究所植田 律
土木研究所阿南 修司
土木研究所梶山 敦司
抄録
福岡市地下鉄七隈線延伸工事における道路陥没のような土木事業で発生する事故の多くは,地質・地盤の不確実性に起因するものであり,地質・地盤の不確実性が及ぼす事業への影響は地質・地盤リスクと呼ばれている.公共事業において地質・地盤リスクを適切にマネジメントするためには,事業の前段階でその要因を把握しておく必要がある.しかし,リスク要因について大局的に分析された事例は少ない.本研究では,公共事業の過去6年分の再評価資料を収集し,分析を行った.まず,事業費の増額の要因を分類し,要因ごとに金額を整理した.さらに,増額の発生段階を設計又は施工に区分し,その要因を事前に想定していた際には,地質・地盤の「分布が乖離した場合」又は「性状が乖離した場合」に区分した.その結果,事業費の増額は,地質・地盤に関する要因によるものが6年間の合計で約2兆円であり,最も金額が大きい要因は,「想定より悪い地質」であった.また,地質・地盤の分布の乖離は主に設計段階に,性状の乖離は主に施工段階に現れることがわかった.地質・地盤の性状は,値のばらつきという特徴を持つことから,分布よりも乖離の幅が大きいと考えられる.
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