国立研究開発法人土木研究所

論文・刊行物検索

利用者の方へ

詳細情報

発表 3D可視化システムを用いた土木研究所周辺浅部地盤の統合空間情報モデル化表示

作成年度 2018 年度
論文名 3D可視化システムを用いた土木研究所周辺浅部地盤の統合空間情報モデル化表示
論文名(和訳)
論文副題
発表会 日本地球惑星科学連合2018年大会
誌名 日本地球惑星科学連合2018年大会
巻・号・回
発表年月日 2018/05/20 ~ 2018/05/24
所属研究室/機関名 著者名(英名)
土木研究所 地質・地盤研究グループ小河原 敬徳
土木研究所 地質・地盤研究グループ稲崎 富士
抄録
筆者らはこの間土木研究所周辺で実施されたボーリングデータを収集,データベース化するとともに,構内において繰り返し浅部物理探査を実施してきた(稲崎,1983;稲崎,1985など).これまでに収集したボーリング柱状図は,構内だけで92本,周辺を合わせると866本に達している.また構内においてはS波反射法探査,P波反射法探査,ハイブリッド表面波探査,オームマッパー牽引式電気探査,GPRなどの2D物理探査を多数実施するとともに,孔内電気検層,PS速度検層,コーン貫入試験などの1D物理検層データも蓄積してきた.これらを市販の2D/3D可視化ソフトウエア(Golden Software社製 Surfer 15/Voxler 4)にインポートし,土木研究所周辺の東西2.6km×南北4.8kmの範囲の3D浅部地下構造モデルを構築した.なお地表空間情報として,国土地理院が公開している全国最新写真(シームレス)オルソ画像,基盤地図情報の5mメッシュ数値標高モデル,および基本項目から道路縁ベクターデータを入力している.上記範囲内に含まれるボーリング柱状図データ401本に対しては,既往資料を参照して層序解釈を加えている.これにより,層序境界もレイヤー情報として保存・表示することができる. 構築した地下構造モデルの特徴は,従来の多くが基本的に地下空間情報としてボーリングデータあるいは層境界面情報しか含まないのに対し,上述した物理探査断面を主構成情報として含み,ボーリングデータと統合化していることにある.筆者らは土質調査ボーリングデータや付随するN値情報には低品質のものが含まれ,データベース化にあたってはそれらを識別除去することが重要であることを強調してきた(稲崎,2008など).1Dの各種検層情報や2Dの物理探査断面情報と対比することで,個々のボーリングデータの品質評価やレイヤー区分の最適化をはかることが可能となる.また構築した3Dモデルや区分各層の工学的特性を推定することも容易になった. 統合3Dモデルの作成に使用したソフトウエア(Surfer/Voxler)は安価であり,地表空間情報のインポートも容易である.一方,物理探査断面情報は現状では画像データとしてインポートしている.2D物理探査断面の標準的記述書式であるSEGY形式ファイル,および筆者らが提案してきた浅部物理探査断面のXML準拠書式(稲崎ほか,2013)断面ファイル形式を直接インポートすることが可能な標準となる3D処理表示プラットフォームの整備が期待される.
ページの先頭へ

この画面を閉じる

Copyright (C) 2022 Independent Administrative Institution Public Works Research Institute