| 海外において下水処理水中のエストロゲン(女性ホルモン)様物質による魚類の雌性化を示唆する報告があり、国内においても河川における魚類の雌性化に関心が集まったことから、全国河川における魚類実態調査結果の解析および実際の曝露実験により、コイをモデルとして河川水のエストロゲン様活性が魚類雌性化に及ぼす影響を検討した。その結果、全国河川における魚類実態調査結果において、雄コイ血液中のビテロゲニン(卵黄タンパクの前駆物質)生成を雌性化の指標とした場合、河川水のエストロゲン様活性とビテロゲニンを生成していた雄コイの割合との間に相関が見られた。また、下水処理水にはエストロゲンが含まれることから、コイを下水処理水(エストロゲン様活性3.1~8.7ng-E2/L)に直接曝露して、魚類雌性化に対する下水処理水の影響を調べた。その結果、早春に雄と雌を共存させて曝露した場合に雄コイにビテロゲニン生成が見られたことから、下水処理水により魚類の雌性化が引き起こされ得ることが示された。しかし、これ以外の飼育環境ではビテロゲニンの生成が見られなかったことから、雌性化の影響発現は、コイの生育状況によって差が生じる可能性があることがわかった。 |