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 下水に含まれるナノ物質等の挙動および影響把握に関する研究

作成年度 2021 年度
論文名 下水に含まれるナノ物質等の挙動および影響把握に関する研究
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 成果報告書
巻・号・回 令和3年度
発表年月日 2022/03/31
所属研究室/機関名 著者名(英名)
水質チーム山下洋正、小川文章、北村友一、對馬育夫、村田里美、鈴木裕識
抄録
本研究では、下水に含まれるナノ物質の水生 生物影響 と下水処理過程での挙動 、繊維状マイクロプラスチックの分析法の構築、それらの下水処理過程 での 挙動 、化学繊維製タオルの洗濯実験による繊維の発生量調査および水生生物に与える影響について調査した 。ナノ物質のうち銀ナノ粒子については、サイズ分画を行った下水流入水および処理水に銀ナノ粒子を添加した培地でムレミカヅキモを用いた藻類増殖阻害試験を行った。その結果、 10 kDaより大きい画分では、銀ナノ粒子 が下水中に含まれる溶存化合物と共存することで、銀ナノ粒子の持つ毒性が軽減されることが示唆された。 酸化チタンについては下水処理場で実態調査を行 い、下水処理水中の酸化チタン濃度は処理過程で 91.3%低減し、汚泥に移行することが示された。繊維状マイクロプラスチックの分析法 については 、フェントン反応と比重分離で夾雑物を除去した後にプラス チックを蛍光染色観察する方法を取りまとめた。 実態調査からは 、繊維状マイクロプラスチックの下水処理場での除去率は 98.9%以上で、放流水中の濃度は 0.4 13.2本 /Lとなり、 ポリエステルやナイロンと考えられる赤色蛍光繊維が大部分を占めることを明らかにした 。化学繊維製タオルの洗濯実験からは、ポリエステル では200μm以下、ナイロンでは200 ~500μmの長さの繊維が多く検出された 。マイクロプラスチックの水生生物への影響については大きさや種類の異なる8種のMPsを用いて、ムレミカヅキモの増殖に与える影響を検討し 、ナイロン6粒子が静電気的に吸着することで、ムレミカヅキモの増殖に 影響を与えることを明らかにした。また、蛍光ポリエステル布を実際に洗濯することでポリエステル繊維を調製し、それらを孵化直後のヒメダカに曝露することで、生理学的、オミックス解析の両面から影響を 明らかにした 。
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